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僕はパンパカパンツちゃん!

テレビとニコニコ動画

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テレビが長い時間をかけて歩んできた道のりを、ニコニコ動画は短い期間で駆け抜けたというイメージがある。

みんながおんなじ番組を見て、次の日にその番組の内容について話し合う時代があった。でも、今はみんながそれぞれ見たい番組を見て、Twitterなどでシュミが近い人とその情報を共有し合うようになった。

ニコニコにも、みんながランキング上位の動画を見て、誰もがその動画の中で使われているキーワードを使っていた時代があった。一つの動画からたくさんの派生動画が生まれるのが、当たり前だった。全然関係のない動画を見ていても、流行っている動画の要素が、流れるコメントのあちらこちらからうかがい知れた。

でも今は、自分の見たい動画を見ているときに、その「ニコニコ動画全体の雰囲気」を感じることはあまりなくなった。ニコニコ動画の一体感、が少しずつ薄くなったような気がする。別にそれが悪いことだとか、昔はよかったとか言うつもりはないし、今のニコニコ動画も、作り上げてきた独自の文化が心地よくて、「あの頃」と同じように楽しんでる。

あくまで個人的な感覚での話なんだけれども。

ニコニコ動画は、「なにかおもしろいもの」を探しに行く場所じゃなくて、「見たいもの」を見に行く場所になったと思う。今のテレビもそうなってる。なにかおもしろいものはわざわざ探しに行く必要はなくなってて、TwitterのTLにでもなんでも勝手に流れてくるし、ちょっと調べればいくらでも出会える機会は転がってる。(探す方法をまだもたないひともいて、その人たちはテレビに「なにかおもしろいもの」を探しに行ってるんだろうけども)

だから目的もなく「探す」ために、ランキングを眺めるということはなくなって、「見たいもの」たとえばゲーム実況プレイ動画だったり、ボカロ曲のPVだったり、アイドルや芸能人の「踊ってみた」動画だったりを見にニコニコ動画を訪れる。

それって決してつまらなくなったわけじゃなくて、独特のノリもなくなったわけじゃなくって、みんなそれぞれ「見たいもの」のある場所で楽しんでて。でも、「見たいもの」を明確に持たない人たちが「面白くなくなった」って騒いでる。

テレビもおんなじだ。「見たいもの」を持たず、漠然とテレビを見ている人たちが「見たいもの」を見せてくれる番組に対して、「つまらなくなった」って騒いでる。つまらないったって、だってみんな「見たいもの」は違うじゃんか。自分の「見たいもの」を見せてくれる番組を見ればいいのにさ。

自分で選び取る形は違うけど、そこにある文化は全く違うけど、こうあるべき考え方や付き合い方は、似てるんじゃないかなあって思った。

わたしはどっちもだいすきだ。