ようこそ宇宙

僕はパンパカパンツちゃん!

わたしがむさぼり読んだ4冊

いま、念願の「十角館の殺人」を読んでるよ。

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

おもしろいミステリーといえば、「すべてがFになる」「殺戮に至る病」とかと並んでよく挙げられる作品。「インシテミル」の映画も原作も大好きだと言ったら、この作品を薦められたりもした。から、是非読んでみたいと思ってた。

新装改訂版が発売になって、最近本屋の店頭によく並んでたこともあって、ついに手を出したよ!

まだ4分の1くらいしか読んでないけど、読みだしてすぐのめり込んだくらいにワクワクしてる。一刻も早く次の展開が見たいのに、自分の読むペースがその欲求についていかなくて、目が文章の上を滑っていくくらい。じれったい。脳に直接読ませたい!

読み終わったら「そして誰もいなくなった」を読んでみようかな。

 

せっかくだから、今までの人生で「オモシロイたまらない!」って夢中になった作品をいくつか挙げるよ。なんでも素直に楽しむタイプだから、読んだ小説は大体好きになって満足して終わるんだけど、中でも集中力の切れる暇もないくらい夢中になった本を選んだよ!

・ダイナー 平山夢明

ダイナー (ポプラ文庫)

本屋でその夜読む本を探してウロウロしていたときに、表紙を見て、手に取ってその重さ・厚みを確認して、あらすじを読んで、もうこの本を買うしかないと思った一目惚れ本。勘が当たって、最近読んだ本の中でも一番の当たりだった。

つい最近妹に「おもしろいよ!」って貸したら、その日中に一気読みしてきたの。それもなんと、学校帰りにどうしてもチーズバーガーが食べたくなったのと、一刻も早く続きが読みたかったので、マクドナルドでチーズバーガーを買って帰り道の公園でむさぼり食い&読みしてきたらしい。見た目はギャルになったけど、姉ちゃんおまえのそういう物語に貪欲なところ好きだわ。

チーズバーガーが食いたくなるような、いや、やっぱ食いたくならないような。

このダイナーに行ってみたくなるような、いや、やっぱ行きたくならないような。

ボンベロがかっこよすぎて、恋して、ラストの彼のセリフに「あか~ん!」ってなったよ。吐き気を催すような濃密でおどろおどろしい作品なのに、心が甘酸っぱくて胸いっぱいになるような不思議な本だった。とってもおすすめ。

 

・カレンダーボーイ 小路幸也

カレンダーボーイ (ポプラ文庫)

あ~これこれ。タイトルがわからなくて、かなり長いことぐぐってしまった。懐かしいなあ。確か中学のときに読んだ。これも「ダイナー」と同じポプラ文庫だったのか。この表紙、大好きだった。今家の中を探したけど見つからなかったので、もう一度買って一最初から読みたいな。

ある朝目が覚めたら、小学五年生に逆戻り!?社会人としてそれなりの地位を築いてきた二人の男が、眠りについて目が覚めるごとに現在と過去を行き来するようになってしまう。二人は過去を変えることで、ある人を救うことができると気づく。あたたかな切なさに満ちた物語。

あらすじはこんな感じ。いわゆるタイムスリップもので、かなり読みやすくてワクワクするSFだったと思う。実在する「三億円事件」も物語に絡まってきて、どんどん事態が大きくなる。一体二人はどうなってしまうのか、続きが気になって気になって、確か授業の合間の休み時間すら惜しくて一気に読んだ。

お話のラストは少し切ない展開になってて、高尾滋の少女マンガ「ゴールデン・デイズ」を読んだ時と同じ種類のやるせなさと寂しさに包まれた。あのマンガもタイムスリップものだけれど。なんか、そんなのありかよ~って。

バディものというか、男同士の友情を描いた作品がとても好きだから、自分たちが未来の人間だという秘密を共有した、共犯者的な二人の関係が楽しくて、だからこそ、余計にしんみりしてしまったり。

読むときっと少年時代を思い出すなあ!また読みたいなあ!

 

・クリムゾンの迷宮 貴志祐介

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

貴志さんの本が好きで何冊か読んでるけど、やっぱりこれが一番好き。始めから終わりまでドキドキが収まることなく大興奮で読んだよ。

舞台は火星(?)、集められた面識のない人々、配布される携帯ゲーム機。その画面で命令を下す不気味なキャラクター。他人を蹴落とさなければ自分が危うい。サバイバル。ワクワクしないわけないよね!

貴志さんはヤバい人間の描写がめちゃくちゃ巧みで、主人公がその人たちと対峙したときの緊張感がこっちまで伝わってくる。かと思ったら、さあコイツはやばいぞと思ったキャラクターが関単に殺されたり、協力できる仲間が現れたと思ったら、途端に狂って壮絶な死に方をしたりする。

十角館の殺人」でも同じような感覚を味わってるけど、この人たちの大部分は物語内で確実に死んでいくんだ、ってわかっているからこそ、印象に残る濃いキャラクターになっているし、どんどん好きになっていく。死んだ時は悲しいけど、どうせだったらものすごい死に方をしてくれよ!って思う。(ダンガンロンパとかでも同じ心理が働いて、キャラクターにすごい思い入れある)

読み初めから誰が一番に死ぬか、誰が一番に人を殺すか、なんてのを考えながら読むのは、ホラーやミステリーならではの楽しみ方だよね。

ゲームブックの設定もゲームボーイのような携帯ゲーム機も、世代的にどんぴしゃだったし、何よりどっかの鼠やアヒルをパロディ(というか、モロ)したキャラクターのしゃべりが軽快で、毒とユーモアが効いてて、止まることなくノンストップで読めた。

好きな本を聞かれたら、この本は絶対挙げることにしてる。そして、この本が好きっていう人の薦める本は積極的に読みたい本リストにいれることにしてる。

 

魍魎の匣 京極夏彦

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

「ほぅ」

安定の分厚さ。寝転がって上に掲げて読むと、腕が痺れること間違いなし。確か1000ページ以上あるんだったかな?

読むきっかけは、当時大ファンだった宮藤官九郎が役者として、映画「魍魎の匣」に出演すると知ったから。宮藤さんが演じた久保俊公はとんでもなく魅力的なキャラだった。先入観なく読んでも好きになっただろうな。「色即ぜねれいしょん」や「まほろ駅前多田便利軒」「クワイエットルームにようこそ」も同じような理由で読んで、家にある。ミーハー上等!

京極堂、関口くん、榎木津などなどの魅力的なキャラクターは、すでに映画で誰が演じるのか知ってたから、ビジュアルイメージは完全に堤真一椎名桔平阿部寛で読んでたなあ。

読んだのはもうだいぶ前だから、あまり覚えてないけど、視点がたくさん切り替わって、段々事件の全貌が明らかになっていく感じが楽しかったんだと思う。京極堂の詭弁も、長かったけど嫌いじゃなかった。「詭弁」って言葉を知ったのはこの本だ。

あと、謎解き要素だけじゃなくて人間のどろどろした深い感情を書いててよかった。「姑獲鳥の夏」はこの作品よりさらにそんな感じだったな。謎解きの答えに関してはわたしも「えっ」ってなったし、そこまで重要じゃなかったというか。それよりも関口くんよう……。お前よく何食わぬ顔してレギュラーメンバーやってるよなあ……。

 

なんだか殺伐とした本ばかり並べた感あるけど、もっとハートフルだったりほのぼのする本ももちろん好き。江國香織間宮兄弟」とか。伊坂幸太郎さんの本ははずれないなあと思ってて、今は「オー!ファーザー」が読みたいな。

わたしと本のシュミが合いそうで、まだ読んだことのない本があったら、是非読んでほしい! 絶対損しませんよ~~

さて、「十角館の殺人」つづきを読んでくる。次は誰が死んじゃうかな~。